お釈迦様の教え
その32 最後の弟子 スバッダ
お釈迦さまは、クシナガラに到着されると、涅槃を迎えられる場所として、
ある沙羅双樹の間に横になられました。
長い間、お釈迦さまにお仕えした阿難尊者は、ついにお別れの時が来てしまったと悲しみ、泣き出してしまいました。
しかし、お釈迦さまは、自分の死を目の前にしてもなお、人々を救い続けられました。
お釈迦さまが涅槃に入られる直前のことです。
クシナガラにいたスバッダという年老いた修行者が、お釈迦さまに一目お会いしたいと訪ねてきました。
その申し入れを阿難尊者は断りましたが、スバッダも引き下がりません。
そのようなやりとりに気づかれたお釈迦さまは、スバッダを迎え入れ、
「八正道を修めることによって、悟りを得ることができる」
と説かれたのです。
お釈迦さまの御説法を聞いたスバッダは、その場で三宝に帰依し、お釈迦さまの最後の弟子となりました。
そしていよいよ、お釈迦さまは、仏教のただ一つの目的である涅槃を迎えられることになるのです。