- 今月の教え 苦しみの悪循環 -
今月の教え 苦しみの悪循環
ダイバダッタ(提婆達多)は、お釈迦さまを傷つけ、
教団を分裂させようとするなど、絶対に犯してはならない
大きな罪を犯してしまいました。
その原因は、ダイバダッタが持つ欲望が、
徐々に大きくなっていったことでした。
迷いの心が苦しみを生み続ける
大変な罪を犯したダイバダッタですが、最初から、お釈迦さまを裏切ろうとしていたわけではありません。
ある時、在家信徒がお釈迦さまや他の弟子に布施の品々を持ってきたのを見たダイバダッタは、
「なぜ私には布施がないのか。どうすれば布施や名誉を得ることができるのか」と考えました。この時にふと芽生えた「欲望」が、お釈迦さまでも止められないほど大きくなっていったのです。
そして、ダイバダッタは欲望により迷い続けた結果、お釈迦さまを殺そうとし、地獄に堕ちてしまいました。
仏教では、ダイバダッタのように、迷い続け、苦しみが深まっていく過程を「惑・業・苦」といいます。
「惑」とは欲望により迷うこと、「業」とは迷いの心で行う間違った行動です。その結果、「苦」を受け、また迷いの心が生じ、誤った行動を繰り返すという悪循環を形成してしまうのです。
迷いを断ち切るために
私たちも、ふとしたことから、悪循環に陥ってしまうことがあります。たとえば、
「自分にとって都合の悪いことを隠したい」
と思い、家族や友だちに嘘をついてしまったことはないでしょうか。すると、嘘がばれないように、また別の嘘をついてしまい、さらに、
「その嘘がばれないように」
と考え、次第に苦しくなっていきます。
このように、私たちも日々、迷い、間違った行動を起こして、苦しんでいます。最初はささいな迷いかもしれませんが、惑・業・苦の悪循環はどこまでも続き、なかなか抜け出すことができません。
それは、いつまでも自分のことばかりを考え、自分に執着しているからです。
迷い続ける私たちとは反対に、自分の欲望にとらわれず、相手のことを考え、人々を苦しみから救われたのがお釈迦さまであり、苦しみから離れるために説かれた教えが仏教です。そして、仏教は、ただ学ぶだけではなく、学んだ教えを実践し続けることが大切であるといわれています。
惑・業・苦の悪循環を断ち切り、苦しみのない世界に至るために、仏教にふれ、日々の実践を重ねていきましょう。