お釈迦様の教え
その31 チュンダの布施
お釈迦さまは、残されたわずかな時間を惜しむように、人々を苦しみから救うために、旅を続けられました。
その旅の途中、お釈迦さまは、ある町で、チュンダという者と出会い食事の布施を受けられました。
しかし、お釈迦さまは、食事を召し上がると、激しい腹痛をおこされ、その痛みのあまり、動くことができなくなってしまわれたのです。
誰もが、「チュンダの食事によって、お釈迦さまが苦しまれている」と思うでしょう。
しかし、お釈迦さまのお言葉は意外なものでした。
「チュンダの食事は、悟りを得る前に受けたスジャータの施しと同じように、 これまで私が受けてきた布施の中で、最上のものの一つである」と仰ったのです。
このお言葉は、チュンダの布施によって、お釈迦さまが涅槃を迎えることができたため、その布施の功徳が特に大きいことを示しています。
この布施は、お釈迦さまにとって最後の食事となり、涅槃の時は、すぐそこまで近づいていました。
再び動けるようになられたお釈迦さまは、いよいよクシナガラへと向かわれたのです。