お釈迦様の教え
その33 最期の言葉
35歳で悟りを得られてから、約45年もの長い間、教えを弘め続けられたお釈迦さまに、最期の時がやってきました。
お釈迦さまは、たとえ亡くなられる直前であっても、弟子や人々のことを想い、言葉を残し続けられたのです。
お釈迦さまが亡くなられることを、ずっと不安に思っていた阿難尊者には、
「私が涅槃に入った後、『師は、もういない』と思うかもしれない。しかし、そうではない。私の説いた教えと、私が定めた戒律が、師となるのである」
と力強く説かれ、阿難尊者を安心させられました。
そして、いよいよ涅槃の時です。
お釈迦さまは、弟子たちに向かって、最期の言葉を残されました。
「すべてのものは移ろいゆく。怠りなく精進せよ」
幼いころから苦しみの解決を求められ、その解決をなされたお釈迦さまは、ただひたすらに、悟りに向かって努力を続けることが、大切であると、最期に説かれたのです。
お釈迦さまが涅槃に入られると、そのお身体は、金色に輝きました。
お釈迦さまは、亡くなられた後も、自らのお姿で、苦しみのない世界に至ったことを人々に教えられたのです。
お釈迦さまが涅槃に入られた2月15日は、「大涅槃会」として、各地で法要が行われています。