お釈迦さまが、お悟りになった内容を、人々に伝えようとされなかったのは、その内容が、あまりにも難しく、欲にまみれたこの世の人たちが、理解できるものではないと思われたからです。
すると、お釈迦さまのこのような想いを知った、この世界の守護神である梵天は、お釈迦さまの前に姿を現し、「世の中には様々な人たちがいますが、悟りの内容を理解できる人もいるのです。
　どうか、その内容を、世の中の人たちのために説いて下さい」とお願いしました。
梵天の言葉を聞かれたお釈迦さまは、不思議な力で、世の中の人々を観察されると、この世界の中にも、悟りの内容を理解できる人がいることを、はっきりと知られたのです。
お釈迦さまの決意は固まりました。
いよいよ世の中に、悟りの内容を、説き弘める時がやってきたのです。