お釈迦様の教え
その17 最初の御説法に向かわれる
お釈迦さまは、お悟りになった内容を、誰に伝えるべきか考えられ、最初に頭に浮かんだのは、アーラーラ仙人とウッダカ仙人でした。
この二人は、かつてお釈迦さまが、悟りを得るために訪れられた仙人たちです。
しかし、残念なことに、二人はすでに亡くなっていました。
次に思い浮かんだのは、かつて苦行を共にされた五人の仲間たちでした。
お釈迦さまは、五人がヴァーラーナシーという地域にあるサルナート(鹿野苑)にいることを知られると、すぐに五人のところに向かわれました。
しかし、五人は、お釈迦さまが悟りを得られたことを知りません。
それどころか、お釈迦さまのことを、苦行の辛さから逃げ出した者だと考えていたのです。
五人は、お釈迦さまが、お悟りになった内容を説かれるために訪れられたにもかかわらず、お釈迦さまが向かってこられるのを見つけると、「決して歓迎してはいけない」と、互いに約束したのでした。