お釈迦様の教え
その9 修行僧としての一歩
宮殿を出られたお釈迦さまは、夜通し、走り続けられました。
そして、川のほとりで、馬のカンタカから降りられると、
「カンタカと共に、私の身に着けているものを、家族のもとまで持ち帰ってほしい」
と、家来のチャンナに頼まれました。
すると、長い間、お釈迦さまにお仕えしていたチャンナは、別れがとても悲しくなり、
「私も一緒に出家させてください」と、お願いしました。
しかし、お釈迦さまは、その申し出を断られると、ついに髪を切り、出家した人が着る衣を身に着けられました。
さらに、共に宮殿を飛び出したチャンナと馬のカンタカに、別れを告げられたのです。
こうして、お釈迦さまは、修行僧としての一歩をお一人で踏み出されたのでした。