お釈迦様の教え
その8 出家 悟りを求めて
お釈迦さまが出家を決意されたころ、宮殿では、とても嬉しい出来事が起こりました。
それは、ヤショーダラー妃が、男の子を出産したことでした。
しかし、お釈迦さまは、悩まれました。お釈迦さまも、人間です。
子供を愛する気持ちが執着になり、出家を妨げる原因になると思われたのでしょう。
それでも、お釈迦さまの出家への決意は、変わりませんでした。
皆が寝静まった頃、お釈迦さまは、ついに意を決し、家来のチャンナと、馬のカンタカと共に、宮殿の外へ出ようとされました。
ところが、宮殿の門は固く閉ざされ、出ることができません。
それは、お釈迦さまが出家してしまうことを恐れていた、王さまの命令によるものでした。
しかしその時、不思議な力が、お釈迦さまを手助けしました。
なんと、急に門が開き、お釈迦さまは、誰にも見られることなく、宮殿の外へ出ることができたのです。
御年29歳、悟りを求めての旅立ちでした。