お釈迦様の教え
その7 四門出遊(二) 苦しみを知る
お釈迦さまは、老い、病気、そして、死の苦しみから、逃れたいと考えられるようになっていきました。
そのような想いを抱かれたお釈迦さまに、その後の人生を、大きく変える出会いが訪れます。
お釈迦さまが、宮殿の北門を出られた時のことです。
そこには、頭を剃り、静かに堂々と歩いてくる、とても清らかな人がいました。
お釈迦さまは、その人が出家をした修行僧であると知ると、なぜ出家をしたのか、お尋ねになりました。
修行僧は、
「世の中のすべてのものは無常であり、それによって、人間は苦しんでいます。
その苦しみを解決するために、私は出家をしました。
そして、苦しみのない心を手に入れることができたのです」
と、出家の素晴らしさについて説きました。
この話を聞かれたお釈迦さまは、とても感動され、
「出家こそが、自分が求めていたものだ」と、ついに出家を決意されたのでした。