お釈迦様の教え
その6 四門出遊(一) 苦しみを知る
ある日、お釈迦さまは、宮殿の東門を出られました。
すると、髪が白く、腰の曲がった人を見かけられました。
驚かれたお釈迦さまは、お付きの者に、「あの者は、何者か」と尋ねられました。
お付きの者は、「あの者は、年をとった老人です。人間は誰でも、年をとると、あのような姿になってしまうのです」とお答えしました。
お釈迦さまは驚き、思い悩みながら、宮殿に戻られました。
またある日、お釈迦さまは、南門から宮殿を出られました。
そこでは、病に苦しむ人を見かけられました。
さらに、またある日のことです。
宮殿の西門から外に出られたお釈迦さまは、そこで、板の上に乗せられている、亡くなった人の姿を見かけられました。
お釈迦さまは、このような様子をご覧になり、老いること、病気になること、そして、死に至ることが、自分にも必ず訪れるという、恐怖と苦しみを感じられたのです。