お釈迦様の教え
その5 王子としてのぜいたくな暮らし
お釈迦さまの父である浄飯王は、将来、お釈迦さまが、立派な王さまになってくれることを期待していました。
しかし、ささいなことにも思い悩まれるお釈迦さまの様子を見て、「王子(お釈迦さま)が本当に出家してしまう」と心配になりました。
そこで、王さまは、「楽しみを知れば、出家するのを思い止まるのではないか」と考え、お釈迦さまに、ぜいたくな暮らしをさせました。
たとえば、お釈迦さまのために、暑い季節・寒い季節・雨の多い季節に合った宮殿を建てました。
また、多くの召使に、お釈迦さまのお世話をさせ、衣服や食事も、最高級のものばかりを与えました。
さらに、お釈迦さまは、ヤショーダラー姫という、とても美しい女性を、お妃として迎えられました。
このように、お釈迦さまは、地位・名誉・財産を持ち、幸せな家庭まで築かれていました。
しかしそれでも、お釈迦さまが幸せで満たされることは、ありませんでした。