お釈迦様の教え
その三 真の幸福を求めて
思い悩む日々を送っておられたお釈迦さまは、清らかな姿をした修行僧と出会われました。
その姿に感動されたお釈迦さまは、真の幸福を求めて出家することを決意されました。
世の中は変化する
私たちは、いつまでも若く、健康であり続けることはできません。また、生まれてきた以上、永遠に生き続けることはできず、必ず死を迎えます。さらに、突然、大切な家族や友人を失うこともあります。また、地位や名誉、財産が、一瞬でなくなってしまうこともあります。
このように、私たちの住む世の中は、日々、変化し続けています。これを「無常」といいます。
その変化によって、私たちは、悲しみや怒り、苦しみを感じるのです。
もちろん、喜びもあれば、楽しみもあります。しかし、この世の中は変化しているので、喜びや楽しみが永遠に続くことはなく、やがて、苦しみに変わるのです。そうだとすれば、真の幸福とは、どのようなものでしょうか。
出家の決意
修行僧の姿が、人生のはかなさを感じておられたお釈迦さまの心を晴らしました。それは、まるで暗闇に光が射したかのようでした。
お釈迦さまは、ついに、思い悩む日々から離れることができる手がかりをつかまれたのです。
修行僧の尊い姿に感動されたお釈迦さまは、「出家こそ、私が求めていたものだ」と思われました。
そして、真の幸福を求めて、出家することを決意されたのでした。
世の中は無常であり、明日の命は分かりません。だからこそ、お釈迦さまは、すぐにでも出家したいと思われたのでしょう。
しかし、お釈迦さまが出家を決意されてからも、困難が待ち受けているのでした。