お釈迦様の教え
その3 ご生誕直後の悲劇
お釈迦さまがお生まれになった頃、アシタ仙人という、有名な方がいました。
アシタ仙人は、釈迦族の王子(お釈迦さま)がお生まれになったと聞き、すぐに宮殿へ駆けつけました。
そこで王子を見た仙人は、一度、微笑みましたが、すぐに泣き出してしまいました。
その様子を見た、王さまや、釈迦族の人たちは、「王子に、きっと何か悪いことが起こるに違いない」と、不安になりました。
そこで、仙人に涙の理由をたずねると、意外な言葉が返ってきました。
「私の命は、残り、あとわずかです。この王子は、将来、必ず仏となられるお方ですが、私は、そのお姿を見ることができないでしょう。それが、とても悲しいのです」
アシタ仙人から、将来、仏となることを見抜かれた王子は、「悉達多」と名づけられました。
ところが、王子がお生まれになって七日後、幸せいっぱいの釈迦族を、悲劇がおそいます。
王子の母親である摩耶夫人が、亡くなってしまったのです。