新たに千人もの弟子が加わった、お釈迦さまの教団は、マガダ国の首都である王舎城へ向かいました。
王舎城には、ビンビサーラ王がいました。
この王さまは、悟りを得る前のお釈迦さまと、
「もし悟りを得ることができたならば、どうか私に、その教えをお聞かせください」という約束をしていました。
王さまは、その約束を信じ、再会を待ちに待っていたのでしょう。
お釈迦さまが王舎城の近くまで来られると、すぐに、多くの家臣を連れて、お釈迦さまを訪ねたのでした。
 
お釈迦さまは約束通り、悟りの内容について御説法をされました。
それは、布施の大切さや、苦しみがなぜ生まれるのか、どのようにして、その苦しみを解決するのか、といった教えでした。
お釈迦さまとビンビサーラ王、この二人の出会いは、お互いにとって、大きな意味を持つものでした。
お釈迦さまにとっては、教えを弘める礎となりました。
そして、ビンビサーラ王にとっては、探し求めていた三宝に巡り合うための出会いだったのです。