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お釈迦様のお話

念仏宗の総合案内 サイト更新日2023-06-30

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更新日2023-06-30

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お釈迦様の教え

その十二 苦しみの自覚

お釈迦さまは、初転法輪 (初めての御説法)で、中道の教えに続いて、四つの真理、「四諦」を説かれました。
そして、四諦の一つ目の真理は、「苦諦である」と仰いました。

苦しみの自覚

 お釈迦さまが説かれた苦諦とは、「私たちの生きる世界は迷いの世界であり、苦しみに満ちている」という真理です。
仏教では、「苦しい」ということを自覚することが大切だといわれています。
 なぜ、苦しみの自覚が大切なのでしょうか。それは、苦しみを自覚すると、「苦しみから救われたい、助かりたい」と願うからです。
 苦しみを自覚し、救われたいと願うことが、悟りを得るための第一歩となります。
 お釈迦さまも、皇太子として生活されていた時、老いる苦しみ、病気になる苦しみ、死の苦しみなど、人間には様々な苦しみがあることを感じとられました。そして、苦しみから離れるために、皇太子としての地位・名誉・財産全てを捨てて出家し、悟りを得られました。
「この世界は苦しみである」ということを自覚する苦諦の教えは、お釈迦さまご自身の体験に基づく教えでもあるのです。

続かない幸せ

 私たちは、日々の生活の中で、楽しいと思うことや幸せを感じることがたくさんあります。
 しかし、その楽しさはずっと続くものではなく、本当の幸福ではありません。
 たとえば、大切な人と一緒にいる時、「この幸せな時間がずっと続いてほしい」と思うことがあるでしょう。しかし、少しのすれ違いでけんかをしてしまうと、さっきまでは、「ずっと一緒にいたい」と思っていても、一瞬のうちに、「もう会いたくない」という気持ちに変わってしまうこともあります。
 私たちの生きる世界は無常です。私たちの心も、いつも変化しており、穏やかな状態が永遠に続くことはありません。
 それにもかかわらず、私たちは幸せな状態が続いてほしいと願います。そして、少しでも自分の願いが叶わないと、期待と現実との間に差を感じ、苦しんでしまうのです。
 では、なぜ私たちは、このような苦しみを味わわなければならないのでしょうか。
 お釈迦さまは、その原因を、四諦の二つ目の真理である「集諦」で説かれました。